バルセロナ生まれの巨匠ジョアン・ミロ。時々日本でも展示が開催されていますよね。ピカソやダリと並び、スペインを代表する世界的な芸術家です。
そんな彼のユニークで色彩豊かな作品を一堂に楽しめるのが「ミロ美術館(Fundació Joan Miró)」。美術の教科書に載っている通り、ミロのイメージって実は晩年の作品ばかりなんです。スペインで生まれ育ったからこそ、ミロ自身が設立した美術館だからこそ、見られる多様な作品があります。
この記事では、ミロ美術館ですっかりミロ好きになった筆者より、行き方・チケット予約方法・無料入場の時間帯・さらにおすすめの代表作まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
ミロってどんな人?

ジョアン・ミロ(Joan Miró, 1893〜1983)は、バルセロナ出身のシュルレアリスム(超現実主義)を代表する芸術家です。鮮やかな色使いと自由な線、記号のようなモチーフで「子どものような心」を感じさせる独自の世界観を築きました。
彼の作品は絵画だけでなく、彫刻や陶芸、舞台芸術にもおよび、世界中の多くの美術館にコレクションされています。
ミロ美術館の見どころ(おすすめ作品)
ミロ美術館には、彼自身が選んだ作品や草案、スケッチ、彫刻など約1,000点以上が展示されています。ここでは特に注目したい代表作をピックアップします。
0. . 《人物》エントランスの彫刻
エントランスでまずは彫刻《人物(Personnage)》が迎えてくれます。
この日は小学生たちの遠足があった模様で、とてもかわいい人たちとすれ違いました。


1. 《星座》シリーズ
戦争の影響でパリを離れた時期に描かれた連作。星や月、人のような形が浮かぶ幻想的な構図で、ミロの精神性が表れています。同シリーズはMoMAやNYのPerseus Galleryなどにもあります。

《L’Étoile matinale(Morning star)》16 March 1940, Gouache, oil and pastel on paper, 38 x 46 cm
2. 《太陽の前の人物》(Figure in front of the sun)
シンボル化された人物と天体が、色面と線でダイナミックに描かれた大型作品。彼の典型的なスタイルを象徴する1枚です。一説には日本の禅僧、仙厓義梵のによる禅画「○△□図」から着想を得たと言われており、太陽と人物をなぞらえて描かれたものです。言われてみるとどう見ても△と〇はありますし、日本文化に興味を持ってくれていたと知ると一層嬉しく親しみが持てます。

《Personnage devant le soleil(Figure in front of the sun)》26 January 1968, Acrylic on canvas, 174 x 260 cm
3. 《アーモンドの花と遊ぶ恋人たち》
手や花のような形が突き出ている部分は、恋人たちが春の陽気の中で戯れているようなイメージかなと思います。どれがアーモンドかわかりませんが、アーモンドの花はスペインで「春の訪れ」を象徴する花でもあり、ミロの自然へのまなざしや希望の感情がこの彫刻に込められています。
形は上記○△□のように単純化ですが、どこか人間的であたたかく、作品に近づくと“遊び心”と“愛情”がじんわり伝わってくるような不思議な魅力があります。

《Couple d’amoureux aux jeux de fleurs d’amandier(Pair of lovers playing with almond blossoms. Model for the sculptural group at La Défense, Paris)》1975,Painted synthetic resin,299,5 x 160 x 140 cm
4. 《財団のタペストリー》
単純にねこちゃんみたいで可愛くて好きな作品です。ポストカードも買ってしまいました。この美術館の設立、財団の為に制作されたタペストリー(壁に掛ける絵のような布)です。

ミロ美術館にて筆者撮影
《Tapís de la Fundació(Tapestry of the Fundació)》1979,Jute, hemp, cotton and wool,750 x 500 cm
基礎情報
所在地 | Parc de Montjuïc, s/n, Sants-Montjuïc, 08038 Barcelona, Spain |
電話番号 | +34 934 43 94 70 |
公式サイト | https://www.fmirobcn.org/en/ |
営業時間 | 【11月1日-3月31日】 火曜‐土曜 10:00~19:00 【4月1日-10月31日】 火曜‐土曜 10:00~20:00 日曜 10:00~19:00 ※最終入場は閉館30分前 |
休業日 | ・月曜日 ・2025/1/6, 4/21, 6/9, 12/8 ※正確な情報は公式サイトの営業時間をご確認ください。 |
入場料 | ・一般:15€ ・以下に当てはまる場合は入場料が割引:9€ 学生(15歳‐30歳) シニア(65歳以上) ・入場無料 子ども(15歳以下) ※要身分証明書 ・アーティケット保持者も割引 |
入場無料時間 | 毎週月曜, 水曜 – 土曜の 19:00 – 21:00 日曜の12:30 – 14:30 ※無料チケットがなくなり次第終了 |
アクセス | フニクラ(ケーブルカー)パルク・モンジュイック駅から徒歩4分 |
ミロ美術館へのアクセス方法
モンジュイックの丘の上に位置するミロ美術館。
バルセロナ中心部からは以下の3通りの行き方があります。
①フニクラ(ケーブルカー)※地下鉄から乗り換え
②バス
③徒歩
①地下鉄→フニクラ(ケーブルカー)
上記地図が正真正銘最寄りのフニクラ(ケーブルカー)の駅、「Funicular de Montjuïc」(フニクラール デ モンジュイック)です。
このフニクラに乗るためには、
①地下鉄3番線(緑)または2番線(紫)にある「Paral-lel」(パラレル駅)で下車
②ホームにはフニクラ「Funicular de Montjuïc」の標識があり、連絡通路を徒歩で進み、
③3分ほどでフニクラに到着、乗車
④終点「Funicular de Montjuïc」へ到着したら、徒歩4分。車両を降りて階段を上ります。
※地下鉄とフニクラは同じTMBチケットで乗車できます。
▼駅にあった標識。「M」の文字があるので、地下鉄「Metro」と同じ駅であることがわかります。

▼フニクラ(ケーブルカー)からの眺め
思っているよりスピードは速め。

②バス
- バスは55番または150番で「Av Miramar – Escoles del Bosc」停留所下車
- 徒歩約5分
③徒歩(モンジュイックの丘を散策)
- モンジュイックの自然や景色を楽しみながらのハイキングもおすすめ
- 公式サイトにはルートPDFもあり
「Botanical」「Historical」「Folk Traditions」などテーマ別ルートを楽しめます

●Botanical Itinerary 植物を楽しめるコース
●Historical Itinerary 歴史を楽しめるコース
●Folk Traditions 文化や民族などを楽しめるコース
●Landscape and Historical Itinerary 景観と歴史を楽しめるコース
チケットの予約方法、無料開放日について
ミロ美術館の無料入場日は残念ながらありません。
最も安く入場できる方法はバルセロナにある6つの美術館・博物館への割引入場チケット「アーティケット」です。
★2025/7/5更新★
ミロ美術館は今年度50周年を迎え、無料入場ができる日があります!!
15分のガイド付きツアーで、公式HPからのみ予約が可能です。
無料入場日について ~2025年7月31日まで
チケット購入ページから、
この「Ticket + free visit “50 years in 15 minutes”」の「Select」をクリック


▲上記概要訳
15分のガイド付きツアーで、”詩ははじまったばかり。ミロ50周年”展の世界を堪能してください。オンライン購入限定の特別割引で、この販売チャネルでのみご利用いただける価格です。チケットオフィスではご利用いただけません。7月31日まで、または席数がなくなり次第終了となります。

▲日程をクリック

▲時間をクリック。時間によって言語が異なります。
通常時、最も安い入場方法はArticketの利用です。こちらの記事もぜひ!
入場料金
区分 | 料金 |
---|---|
一般 | 15€ |
学生(15歳〜30歳) | 9€ |
シニア(65歳以上) | 9€ |
子ども(15歳以下) | 無料 |
アーティケット バルセロナにある6つの美術館への入場チケット。〈詳細記事はこちら〉 | 38€ |
チケットの予約方法
チケットは当日窓口での購入とインターネットからの購入が可能です。
本記事では公式HPからの無料チケットの購入方法をご紹介します!
公式サイトにアクセス
トップページのチケットアイコンをクリック

「General Admission」を選択
こちらが一般的なチケット購入画面です。「General Admission」をクリック。

訪問日時を指定し「ADD TO BASKET」へ
ちなみにチケット(アクティビティ)の種類は大きく4つです。
「Ticket Fundació Joan Miró」が一般的なチケットです。
▼チケットの種類
・Ticket Fundació Joan Miró:一般的なチケット
・Museums Night:夜の入場チケット(期間限定)
・Guided tyour:ガイドツアー(カタルーニャ語、スペイン語、英語、フランス語)
・Guided tour of the building by an architect:建築物を含めたガイドツアー

▼訪問日程を選択
水色になっていれば選択できています。OKです。

▼訪問時間を選択
インターネットの電波のように、混雑加減がわかります。

人数を選択して「ADD TO BASCKET(バスケットに追加)」をクリック

名前やメールアドレスなど予約者情報を入力

支払い方法を選択
支払い方法を選択し、必要な情報を入れたら完了!メールアドレスにチケットが届きます!

まとめ:ミロ美術館はアート初心者にもおすすめ!
▼美術館内の休憩スポット。ミロ関連の書籍、絵本などが読めます。

▼1Fにはカフェがあります。

カラフルでポップ、でも奥深い。ミロの世界観は、大人も子どもも直感的に楽しめるアート体験です。
丘の上にある美術館で、自然と芸術にふれながら過ごす特別なひとときをぜひ。