スペインに行くのなら必ず訪れたいスポットの1つ、プラド美術館。
本記事では必ず見るべき絵画を7つ紹介します!
プラド美術館はスペイン・マドリードの3大美術館で、コレクションは数万点におよびます。
館内はとても広いので、ざっくりと地図を把握しておくことも大切です。プラド美術館に行く前に、見どころをしっかり予習しておきましょう!
プラド美術館とは?
1785年当初は自然博物館となる予定でしたが、実現することなく、1819年に「王立美術館」として開館されました。その後、1868年に「プラド美術館」に改称、現在は国立美術館として国内外から多くの見学者が訪れています。1936年から1939年にかけて西洋絵画の巨匠パブロ・ピカソが館長を務めたことでも知られています。
★Comingsoon!プラド美術館への行き方、アクセス方法を徹底解説!
見るべき絵画7選!
それでは早速プラド美術館で見るべき絵画を紹介していきます!館内マップの場所を合わせてどうぞ!
- フラ・アンジェリコ「受胎告知」/Room 56B
- ヒエロニムス・ボス「快楽の園」/Room 56B
- フランシスコ・ゴヤ「1808年5月3日」/Room 64
- フランシスコ・ゴヤ「息子を食らう土星」/Room 67
- ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」/Room 12
- ルーベンス「三美神」/Room 29
- フランシスコ・ゴヤ「裸のマハ」/Room 38
FLOORS-1 AND 0
チケットオフィスを入ってすぐ〈FLOORS-1 AND 0〉入口から近い順に4作品を紹介します!
- 「受胎告知」フラ・アンジェリコ作/Room 56B
- 「快楽の園」ヒエロニムス・ボス作/Room 56A
- 「1808年5月3日」フランシスコ・ゴヤ作/Room 64
- 「息子を食らう土星」フランシスコ・ゴヤ作/Room 67

1.「受胎告知」フラ・アンジェリコ/Room 56B

タイトル | 受胎告知(The Annunciation) |
作者 | フラ・アンジェリコ(Fra’ Angelico) |
制作年 | 1425 – 1426年 |
種類 | テンペラ |
展示場所 | FLOORS-1 AND 0、Room 56B |
フラ・アンジェリコは初期ルネサンス期のイタリア人画家です。「アンジェリコ」という名は「天使のような人物」という意味なので、「修道士アンジェリコ」という呼び名になります。本名はグイード・ディ・ピエトロ (Guido di Pietro) です。
この絵は元々イタリア・フィレンツェ近郊にあるサント・ドメニコ修道院のために描かれたもので、左のピンクの方「大天使ガブリエル」が、右の青ワンピースの方「マリア」に受胎告知(赤ちゃんが生まれますよ~!と伝言)をする場面が描かれています。
絵の左側、男女が歩いている姿が見えますが、これはアダムとイブが楽園から追放されていることを表現しています。(禁断の果実食べちゃったんだからあっち行きなさい!的な声が聞こえてきそうですよね。あ、聞こえてこないですか?)
2.「快楽の園」ヒエロニムス・ボス/Room 56A

タイトル | 快楽の園(The Garden of Earthly Delights Triptych) |
作者 | ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch) |
制作年 | 1503年-1504年(他説あり) |
種類 | 油彩 |
展示場所 | FLOORS-1 AND 0、Room 56A |
ボスはルネサンス期のネーデルランド人画家です。本名はヒエロニムス・ファン・アーケンで、ストルストーヘンボスという場所に住んでいたため、地名と名前を足した名前ですね。
さて、この絵の解説にはきちんと1記事書く必要がある思うのですが…簡単にいうと祭壇画(さいだんが)、教会の祭壇(前の方にある場所)のための絵です。
左パネルは、地上の楽園で神(ピンクの人)がアダムにイヴを贈る場面。
中央パネルは、快楽の園で裸のカップルがいっぱい。欲望の塊がいっぱい。
左パネルは、見てわかる通り地獄です。拷問を受ける罪人がいっぱいです。
沢山ネズミがいたりフクロウがいたりするのですが、またその意味は別記事で…!
3.「1808年5月3日、マドリード」フランシスコ・ゴヤ/Room 64

タイトル | 1808年5月3日、マドリード(The 3rd of May 1808 in Madrid, or “The Executions”) |
作者 | フランシスコ・ゴヤ(Francisco José de Goya y Lucientes) |
制作年 | 1814年 |
種類 | 油彩 |
展示場所 | FLOORS-1 AND 0、Room 64 |
ゴヤはスペインの画家で、ベラスケスなどと同様に宮廷画家として有名です。
この絵は隣に展示してある『1808年5月2日、マドリード』と連作です。状況説明をすると、スペインが、フランス(ナポレオンがスペインを占領しようとしている状況)に対抗している画です。スペイン独立戦争です。左側両手を挙げている白い服の男の人(スペイン人)に対し、右側は銃を持った軍隊(フランス人)です。
左側の男性の右手をよく見ると傷跡のようなものがあり、これは聖痕(せいこん)です。聖痕とはイエス・キリストが磔刑(十字架にはりつけになった時)ついたとされる傷なので。これによって男性がキリスト教徒であることがわかります。文字がなくても知っていれば読み解ける絵、ちょっと興味深くないですか?ぜひ現地で手を見てみてください。
4.「息子を食らうサトゥルヌス」フランシスコ・ゴヤ/Room 67

タイトル | 息子を食らうサトゥルヌス(The 3rd of May 1808 in Madrid, or “The Executions”) |
作者 | フランシスコ・ゴヤ(Francisco José de Goya y Lucientes) |
制作年 | 1819-1823年 |
種類 | 油彩, Mixed method |
展示場所 | FLOORS-1 AND 0、Room 67 |
ゴヤの説明は上記『1808年5月3日、マドリード』にて記載したので省略!本作品はゴヤが晩年、自宅に描いた「黒い絵」シリーズの1部です。一連の「黒い絵」は全てプラド美術館にあります。
この顔がめちゃくちゃ怖い人の名前が「サトゥルヌス」で、ローマ神話の登場キャラです。(英語名はサターン、つまり土星さんです。)「将来自分の子どもに殺される」という予言に恐れ、次々に子どもを吞み込んでいってしまったことを表現しています。が、これは自分の力を失うことへの恐怖で人間の感情の擬人化ではないかと言われています。
FLOOR1
この7選も後半戦!ゴヤの門から入るとすぐの〈FLOOR-1〉の3作品を紹介します!
5.「ラス・メニーナス」ディエゴ・ベラスケス/Room 12
6.「三美神」ルーベンス/Room 29
7.「裸のマハ」フランシスコ・ゴヤ/Room 38

5.「ラス・メニーナス」ディエゴ・ベラスケス/Room 12

タイトル | ラス・メニーナス(Las Meninas) |
作者 | ベラスケス(Velázquez) |
制作年 | 1656年 |
種類 | 油彩 |
展示場所 | FLOOR 1、Room 12 |
ベラスケスはスペインの画家で、黄金時代であったバロック期、17世紀を代表する巨匠です。
そしてこの『ラス・メニーナス』。大きさが318cm × 276cm (125 in × 109 in)と非常に大きく、見上げるように鑑賞することとなります。絵画の舞台はフェリペ4世のマドリード宮殿の大きな一室です。
カメラがなかったこの時代、こんな風に美しく家族が集合した記録が残せるなんて、本当に贅沢だったと思います。そうなんです、今で言う”家族集合写真”つまり「肖像画」というジャンルの確立、その目的を超えた、もはや歴史画に近づいたのが、この作品です。
6.「三美神」ルーベンス/Room 29

タイトル | 三美神(The Three Graces) |
作者 | ルーベンス(Peter Paul Rubens) |
制作年 | 1630年-1635年 |
種類 | 油彩 |
展示場所 | FLOOR 1、Room 29 |
ルーベンスはフランドル(ベルギーとフランスの間)のバロック期の画家であり、外交官としても活躍しました。
この三美神はそれぞれ左からアグライア(光の女神)、エウフロシュネ(喜びの女神)、タレイア(豊かさと開花の女神)です。彼女たちは愛の女神アフロディテ(英語だとヴィーナス)の侍女(お世話をする女性)です。ちなみになぜ侍女だとわかるかというと、右上の天使や上部のバラがアフロディテ(ヴィーナス)を意味するものだからです。
本作品はルーベンスが自分のために描いた作品だと言われており、特に左の女性は大好きだった奥さんに似ているそうです。なんて素敵な!
7.「裸のマハ」フランシスコ・ゴヤ/Room 38

タイトル | 裸のマハ(The Naked Maja) |
作者 | フランシスコ・ゴヤ( Francisco José de Goya y Lucientes) |
制作年 | 1797年-1800年頃 |
種類 | 油彩 |
展示場所 | FLOOR 1、Room 38 |
またまたゴヤの説明は省略ですが、本作品は「着衣のマハ」と連作です。ちなみに「マハ(maja)」は、「小粋な女」という意味のスペイン語で、どこの誰かという名前の固有名詞ではありません。
本作品は首相ゴドイの自宅から見つかったため、ゴドイの依頼を受けて描かれたものと言われています。通常は「裸のマハ」を、来客があるときは上から「着衣のマハ」を重ねて飾っていたそうです。家に遊びに行ったら裸の女性の絵がどーん!は、ちょっとびっくりしちゃうもんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?すべての作品にもっともっと詳しく言及したい山々なので、どんどん更新&作品別の記事も書く予定です。みなさまお楽しみに!
美術館巡りは疲れない程度にするのが一番です。楽しむことが大切です。素敵なプラド美術館を!