アントニ・ガウディの作品群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている作品の一つ、【カサ・ビセンス】(Casa Vicens)。
バルセロナ観光といえば「サグラダ・ファミリア」や「カサ・バトリョ」が有名ですが、
「もっと静かにガウディ建築を楽しみたい…」という方にぴったりの穴場です。
アントニ・ガウディが手がけた初期の傑作なので、
▶落ち着いた雰囲気でガウディ建築を楽しみたい
▶混雑を避けて静かに建築を堪能したい
▶ガウディの“はじまり”に触れてみたい
▶観光地化されすぎていないスポットに行きたい
そんな、ちょっと旅慣れた方やアート好きにおすすめです。
【カサ・ビセンスとは?】ガウディ建築の原点を体感できる場所
カサ・ビセンス(Casa Vicens)は、スペインを代表する建築家アントニ・ガウディが、建築家として初めて手がけた個人邸宅です。彼の“デビュー作”とも言えるこの建物ですが、ガウディ建築の出発点として非常に重要な作品であり、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

建物の背景と建築スタイル
カサ・ビセンスは、陶器メーカーを営んでいたマヌエル・ビセンス氏の別荘として、1883年〜1885年に建てられました。
ガウディがまだ30代だった頃の作品で、当時流行していたネオ・ムデハル様式やネオ・アルハンブラ様式といった異文化の影響を強く受けています。
- モロッコやイスラム建築を思わせるアーチやタイル
- アジアの装飾や植物モチーフの鉄細工
- 手描きの天井やカラフルな装飾
といった、多様な文化と自然モチーフの融合が見どころ。
サグラダ・ファミリアやカサ・ミラなど、後期作品とは異なる雰囲気が楽しめます。
基本情報
内容 | |
---|---|
住所 | Carrer de les Carolines, 20-26, Gràcia, 08012 Barcelona |
電話番号 | +34 932 71 10 64 |
公式サイト | https://casavicens.org/ |
開館時間 | 9:30〜20:00(4月〜10月) 9:30〜18:00(11月〜3月) |
休館日 | 12月25日、1月7日〜14日 |
最終入場 | 閉館の1時間15分前まで |
アクセス方法|カサ・ビセンスへの行き方
カサ・ビセンスへの主な行き方は4つです。
①メトロ(地下鉄)
②電車(FGC)
③バス
④ツーリストバス
⑤自転車
最寄り駅は①メトロ(地下鉄)の「Fontana」駅です。
① メトロ(地下鉄)
・地下鉄L3番線「Fontana」駅 徒歩4~5分
駅を出て、北西方面です。
・地下鉄L3番線「Lesseps」駅 徒歩6分
駅を出て、南方面です。
カサ・ビセンスは先ほどのFontana駅とLesseps駅の中間にあるイメージです。
▶どちらの駅からもアクセス可能ですが、Fontana駅のほうがやや近く、案内も多めです。
②電車(FGC)
FGCの最寄り駅は「Gràcia」駅、もしくは「Plaça de Molina」駅です。
・Gràcia駅。徒歩6分(線:L6, L7, S5, S55, S1, S2)
・Plaça de Molina駅。徒歩8分(線:S5, S55, L6, L7)
ちなみにFGCの正式名称は「Ferrocarrils de la Generalitat de Catalunya」で、カタルーニャ鉄道のことです。州政府が運営する鉄道で、主にバルセロナ郊外へ行く市民が利用する手段ですが、乗り換えの都合で便利な場合もあります。
③バス
- 最寄りのバス停:Riera de Cassoles – Carolines
- 停車路線:22,24, 27, 87, V17, D40
バスを降りて南に進み、最初の角を左折(西)するととすぐに到着します。
④ツーリストバス(観光バス)
- 最寄りのバス停:ブルールート「Park Güell」駅 徒歩20分ほど
ちなみにツーリストバスはレッドルートとブルールートがあります。
観光ルートの一環として立ち寄るのに便利です。
④自転車(Bicing)
- 駐輪スポット:
・221 Gran de Gràcia – Fontana
・230 Nil Fabra – Torrent de l’Olla
実は公式HPのアクセス方法のトップに「自転車」の記載があります!とってもエコ!
最近のバルセロナでは自転車のシェアリングサービス「Bicing」というものがあります。アプリで空き状況を確認でき、使いこなせれば便利&サステナブル!
無料で入場できる方法はある?
残念ながら、カサ・ビセンスには無料開放日はありません。
しかし、11歳以下の子どもは無料で入場できます。その他の割引対象も後述します。
チケット購入方法
本記事では通常のオンラインでのチケット購入方法をまとめていきます。
チケットの種類と料金(2025年3月時点)
チケット種別 | 内容 | 料金 |
---|
一般チケット | 自由見学、音声ガイド付き | 18€ |
学生・シニア | 12歳〜25歳/65歳以上(要証明) | 16€ |
ガイド付きツアー | スタッフによる説明つきツアー | 19〜21€ |
朝の特別入場 | 営業前に静かな館内を見学 | 30〜40€ |
マンゴーアイス付きチケット | 館内カフェでアイスを楽しめる | 4〜22€ |
子ども(11歳以下) | 無料(証明不要) | 0€ |
時期やプロモーションによって価格が変動します。
最新の価格は公式サイトを確認するのが確実です。
チケット予約方法|公式サイトでの購入ステップ
カサ・ビセンスのチケットは当日現地でも購入できますが、事前オンライン予約が確実&便利です。
公式サイトは日本語未対応ですが、英語表記でスムーズに予約できます。
①公式サイト右上の「Tickets」をクリック

② 訪問する日付をカレンダーで選択
ページ右上にカレンダーが表示されます。好きな日程をクリック!

③希望の入場時間(15分刻み)を選択

④枚数・チケット種別を選択
こちらは一般チケットなので、通常は18€、学生やシニアは16€、11歳以下の子どもは無料です。
画面右の「Fees(i)」というのは、予約の手数料です。

⑤国籍・規約への同意などをチェック
・nationality は 国籍 なので Japan を選択
・チェックボックス上段は規約に同意なので必ず✓
・チェックボックスは追加オプションです。
チケット料金を15%分多めに払うと、3時間前まで変更可能となります。

⑥予約内容を最終確認し「Add to cart」
チケットの枚数や金額に間違いがないか確認し、「Add to cart」をクリック

⑦ 支払い方法を入力
クレジットカード等で支払いを完了!
チケットはPDF形式でメールに届きます。スマホでの提示でOK。

カサ・ビセンスの見どころ
カサ・ビセンスは、ガウディの建築家デビュー作であり、
ムデハル様式や東洋風デザインなど、若き日の感性が詰まった色彩豊かな建物です。
タイル装飾の美しさ
まず目を引くのが、外壁を彩るカラフルなタイル。
ビセンス氏が陶器業を営んでいたことから、タイルの使用は特にこだわられています。
- グリーン×白の市松模様
- カーネーション柄の鮮やかな装飾タイル
これらは単なる装飾ではなく、自然と調和する住まいを目指したガウディの理念を象徴しています。

館内の天井画や鉄細工に注目
内部に入ると、手描きの天井画や植物を模したアイアンワークなど、繊細でユニークなディテールが満載。
- 天井はツタや花を描いた優美な手描きアート
- バルコニーや階段の手すりには、葉や枝をモチーフにした鉄細工
まるで住める芸術作品のような空間です。

緑に囲まれた中庭とテラス
館内を巡ったあとは、中庭(ガーデン)やテラスでひと休みを。
緑に囲まれた空間に身を置くと、都市の喧騒を忘れ、ゆっくりと時が流れていくのを感じられます。
- カフェテラスではドリンクやアイスも楽しめる
- 写真撮影にもぴったりのフォトスポット多数!

- 色とりどりのタイル装飾
- 手描きの天井画や植物モチーフのアイアンワーク
- 緑豊かな中庭とテラス
など、サグラダ・ファミリアとは違った遊び心ある美しさが魅力です。
まとめ|ガウディ建築を静かに味わいたい方へ
カサ・ビセンスは、サグラダ・ファミリアやカサ・ミラとは一味違う、ガウディの初期作ならではの魅力が詰まった建築です。
バルセロナ中心部から少し離れたグラシア地区にあるため、比較的すいていて、落ち着いた雰囲気の中で見学できるのも嬉しいポイント。
こんな方にぴったりのスポットです:
- 観光地の喧騒を避けてゆっくり見学したい方
- 若きガウディの感性や初期の作風に興味がある方
- 色彩や装飾、異国文化の融合に惹かれる方
ガウディ建築の“はじまり”を静かに味わえるカサ・ビセンス。
次回のバルセロナ旅行では、ぜひこの特別な場所に足を運んでみてください。
ぜひ、次回のバルセロナ旅ではこの“ガウディのはじまり”に触れてみてください。
次回予告
次回は、カサ・ビセンスの「内部の見どころ」や「ガウディの美意識を感じる装飾の数々」を、体験ベースでじっくりご紹介します!